友人が「クラットクラブ」なる卓球サークルをつくった。
同級生である俺は、もともと球技が好きだということもあり、猛烈に参加している。
当初は、卓球を楽しみたいという思いが強かった。
が、回を重ねていくうちに、ある願望が芽生え始めた。
「もっと強くなりたい」
ラバーを張り替え、特打ちをし、そしてとうとう、本当に大会に出ることになったのだ。
市民大会ではあるが、参加人数は300人を超えるという。
果たしてどんなツワモノが集まっているのかと夢を膨らませて乗り込んだ我々が見たものは、およそ300人の高校生卓球部員たちだった。
みな、ユニフォームを着て、名前と高校のロゴが入ったゼッケンを背負っている。
俺を含めたメンバーは、Tシャツに短パンである。
なんなんだ、このおじさんたちは。
そう思われたに違いない。
しかしながら、高校生でない人たちも数人見る事が出来た。
異様に上手いおじいちゃん。職を訊ねたくなる中年。
ずらっと並べられた卓球台のある広い体育館に、我々は居場所を探しながらも、負けてなるものかと、ひたすらラバーがしっとりする泡を塗り込めるのだ。
大会はリーグ戦方式である。
我々が出場したのは、中級である。
大多数の高校生卓球部員たちはみな、別でやるらしい。
ほっとしたのも束の間、数人の高校生がリーグに参加している。
これはどう見ても、学校から「おまえもそろそろ中級に参加したらどうだ?」
と指示され参加してきたに違いない、という一抹の不安がよぎる。
その予感は見事に適中。
毎日、卓球とエロいことばかり考えているであろう高校生は強い。
そして、みなどこかクールなのである。
こんな大会、身体慣らしだよ的な冷たさがあり、仲間うちで騒ぐ姿はほとんどなかった。ホント、卓球台から顔しか出てねーみたいな子がやたらと強いスマッシュを打ってくるのだ。
そして、おじさんは理由もなく強かった。
書く事などない。
慣れてんだ。こういう大会。
結果は見事に3連敗。
見事に予選リーグを敗退となる。
他の2人もほぼ同じ道を辿ったように見えた。
結局、我々は1勝もできないまま、体育館をあとにした。
帰りの車の中で、ひとり、もっとああすればよかった、こうすればよかった。
と考える。
もっと、色々な人と試合をして、卓球を楽しみたい。
強くなりたい。
強いってどんなだろう。
俺は見事に趣味を得たのだった。